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MIHO美学院での6年間学校生活を経て              さまざまなフィールドに進んだ卒業生たち。

卒業生の言葉

MIHO美学院を卒業し、次のステージに進んだ先輩からのメッセージ

UCA芸術大学(イギリス)   戸川 由加利 さん(2017年度卒業)

人としてどう生きるか

美学院での日々は、このことを考え続けた6年間であり、今の生活にも生かされていることだと思います。私は現在イギリスの芸術大学に在籍し、勉学に励んでおります。しかし、慣れない土地での一人暮らし、言葉がうまく伝わらないもどかしさ、現地の学生と肩を並べて必死に追いつく授業など、たくさんの壁にぶつかります。それでも「やめたい」と言わずにここまで来られたのは、きっと美学院で過ごしたかけがえのない時間があるからです。正直、美学院での生活は綺麗事ばかり並べられるような、キラキラとしたものではありませんでした。しかし、キラキラとしていなかったからこそ、自分たちの力で磨き上げ、その度に心も体も強くなったと感じます。人として誠実に、努力を惜しまず、そして神に祈ること。これを美学院の生活で身につけ、大学生活でも活かした結果、大学の成績は入学時からファーストであり、現在は夢の実現に向けて、様々なアクションを起こすことができています。ここでの生活は私にとって、『人生の教科書』でした。

阪南大学            田邊 隆晃 さん (2017年度卒業) 

美学院での部活動が卒業後に役立ったこと

美学院の部活動は生徒が主体となって行うため、自分たちで課題や困難を見つけ、話し合い、原因を考え出し、解決へと導く。そのようなプロセスを自然と身に付けることが出来ました。また、寮生活で育む陽気な仲間意識とは違い、部活動では部員全員が一つの目標に向けて、真剣かつ熱い仲間意識を育むことができます。どうしても共に寮で生活すると、仲良くなり、仲間同士で厳しいことなど言えないとか、友達と一緒に楽を選んでしまいます。しかし、寮生活で育んだ仲の良さは部活動では関係なく、お互い自分に厳しくすることによって精神面の成長が見られます。このような経験は美学院だからこそ出来たことであり、これらは既に卒業してから活きているので、近い将来、社会人になったときに更に役に立つことを期待しています。

立命館大学           古嶋 良啓 さん (2017年度卒業)

今の生活に生かされる美学院の学び

美学院での学びは、卒業後も、日常生活の何げないところで思い出されることがあります。例えば、家で掃除をしているときに、パパっと簡単に済ませようと思っていても、時間を忘れて綺麗になるまで真剣にやってしまう。その時、本当に無心で一生懸命しているんです。美学院での寮生活で、6年間ずっと掃除をしてきましたが、その無心でする心が習慣になっている気がします。
授業で一番印象に残り、今も思い出すのが、MIHO美学の授業です。日本や中国の東洋美術から、西洋、イスラムの美術品まで、ガラス越しでなく直接この目で鑑賞でき、それを学芸員の方が詳しく解説してくださるという、本当に自分の心を養う上で一番響いてくる授業でした。解説も大事なのですが、最初にまず美術品そのものを見て、想いを馳せる。これは、今までどのくらいの時間こうやって保存されてきて、どんな人々がこの美術品に関わってきたのかとその歴史を思ったりします。そこに魂というか、先人たちの様々な思いとかを感じようとする。MIHO美学の授業を通じて自分からそういうふうに見るように心掛けるようになりました。今、学生を取り巻く環境は、本当にやりたいこと、自分の趣味だとか、勉強だとかが、テレビとか携帯電話などの外部から洪水のように入ってくる情報に、どんどん埋もれてしまい、本当にやりたいことを見失っている気がします。そういう意味では、本当にやりたいことを発見し、深めていくことができる環境にあるのが美学院だと実感しています。また、先生から学んだことですが、「笑顔と親切心、さわやかさ、これは絶対大切に」と。今までも多くの出会いがありましたが、これからの人生でも出会う一人ひとりを大切にしよう、そう心がけて過ごしていきたいと思っています。