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桜色に染まったMIHO MUSEUMのトンネル

 

小山美秀子師の美意識

 

小山美秀子師が創立した美術館「MIHO MUSEUM」を訪れると、自然と一体となった清々しい建物が、まず目に飛び込んでくるでしょう。館内には、古今東西から集められた一流の美術品が、光や空間と調和して展示され、レストランや喫茶では、秀明自然農法の食材を使ったお料理が供されています。美秀子師は生前、自然への敬慕や感動から生まれた芸術に触れることの大切さを語り、「自然の美しさというのは、流れていって消えてしまうでしょう。だからその時の感動を心の中に収めて、その中から生まれてきたものが芸術です」という言葉を残しています。MIHO MUSEUMには、美秀子師の「心眼」で集められた美術品の魅力が、余すところなく紹介され、訪れる人を美でもてなしたいという師の想いに溢れています。美秀子師は、美しいものは、人の魂を浄化し、幸せに導くという岡田茂吉師の思想を、この美術館に集約させました。美術館には国内だけでなく、海外からも多くの来訪者があり、さまざまなメディアでも紹介されています。美秀子師のコレクションが、日本にとどまらず世界へと広く知られるようになったことは、コレクションの質の高さが、人々の心を惹きつけてやまないからでありましょう。どの美術品も、まるで生きているかのように語りかけ、ぬくもりや優しさ、力や勇気を与えてくれます。そして私たちは、一目見るだけで、その美術品一つひとつから放たれる美の魅力に心を奪われ、また会いに行きたくなるのです。真に美しいものとは、たとえはるか昔に作られたものであっても、私たちが迷い立ち止まってしまったときに新しい風を吹かせ、美しく生きなさいと、向かう先を示し導いてくれるものであると思います。生まれてはじめて親元から離れ、過ごす日々は、誰でも、最初は不安に思うことがあるでしょう。けれど、信楽の美しい景色や、圃場の作物、美学院の先輩や先生方の、熱く温かい眼差しに触れる中で、自分たちが、目に見えない大きな愛情で支えられて生きていることを、たくさんの美しいものから学ぶはずです。天と地、そして私たちをとりまくすべてのものに命を感じ、調和していく美学院での生活を通して、あなた方を見守る、美しい風が吹いていることに気づくでしょう。この信楽の地でまなぶすべての者は、まるで美しい風に出逢うように、美秀子師が求めたものと巡り会って行きます。「美しいものを求めるってことは神様を求めることなのよ」という師の言葉に表されるように、美しいものに感動し、その想いを伝えることは、今生きている私たちに託された、美しい魂のリレーなのだと思います。いつか生徒たちの心に生まれた色とりどりの想いが、さらなる美しい風となって、世界の人々と巡り会う日々を、美秀子師は心から待ち望んでいると思います。