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岡田茂吉師の思想とは

誰もが一度は、人として生まれてきた目的や意味を考え、自分に何ができるのだろうかと思い悩んだ経験があるのではないでしょうか。それは、私たち人間にとって、永遠のテーマといえるのかも知れません。このテーマを追い求め、過去、数千年という長い歳月を掛けて、人類は学問を発達させ、高度な文明世界を築いてきました。

岡田茂吉師は、かつて人類が思い悩んできたさまざまな問題を解き明かし、人間が生まれてきた目的や意味、そして使命を的確に指し示す数多くの論文を書き遺されました。その範囲は、宇宙の創造までさかのぼる広大無辺なものから、身近な家族の問題まで幅広いものでした。

皆さんは、世界人類にとって共通する幸せとは、どのようなものだと思われますか。肉体的にも精神的にも健康であることは、人間にとって、幸福条件の一つに挙げられると思います。しかし、現代に生きる私たちを振り返った時に、心身共に健康であると誇れる人は、果たしてどれくらいの人がいるのでしょうか。

明治15(1882)年12月23日、この世に生を受けた岡田茂吉師は、幼少時代より、人間としてのありとあらゆる苦しみを味わわれました。病気はもちろんの事、経済的な困難やそれらに伴う争いなど、普通の人間ならば挫けてしまう状況の中にあって、世の中のあらゆる手段、方法を研究し、克服していかれました。その研究範囲は多岐にわたり、西洋医学、東洋医学、哲学、宗教、芸術など、古典から最先端のものまで、専門家をもしのぐほどの知識を得られ、一つの到達点へとたどり着かれました。

それは、自然順応、自然尊重の思想です。 人間は、自然からの恩恵を受けてこそ感謝の心が湧き、心豊かに生きていけるのではないでしょうか。産業革命以降に起きた、自然を征服しようとする思想、行き過ぎた物質文明は環境を破壊し、人類をも破壊する存在となっています。また、医療技術は日々進歩し続けていますが、肝心の病気や病人は一向に減ることがない現実は、どのように説明がなされているのでしょうか。

岡田茂吉師は、さまざまな経験や豊富な知識を基に、人類が抱える問題の解決法として、本校の建学の精神でうたわれている「生命の芸術、農業の芸術、美の芸術」の三つの芸術活動を提唱されました。そして、この活動を行う上で大切なことは、真・善・美の心、それは、誠の一字に集約されます。例えば、人との約束を守ることは信頼関係を築く上で大切な要素であり、うそをつかず正直に生きることは、誠の現れとして、その人を幸せに導いてくれると説かれました。

そして、いつ、どのような時にでも世界的観点から物事を捉え、どのようにすることが人類にとって幸せなのかを考えること、行動することを推奨されました。それが真の善行であり、独善的に偏った思想では、人々を不幸に陥れ、結果において悪を生むことを説かれました。日本語に「丁度良い」という言葉がありますが、何事も偏らず、調和を保つことが平和を保つ思想であることを自ら示されました。

岡田茂吉師は「人を幸福にしなければ自分は幸福になり得ない」と常に言われ、この心の拡大を願っておりました。本校では、師の志を受け継ぎ、世界平和に役立つ人材の育成を目指しております。